名鉄:吊り掛け急行の爆走


鉄道創世期に電車の主要駆動方式として誕生した吊り掛け駆動。
日本においても戦後復興期までは国鉄・大手私鉄で製造されていたが、
高度成長期以降は新登場のカルダン駆動に代替され、以降急速に減少。
2010年現在、大手私鉄で残っているのは名鉄瀬戸線のみである。

しかしながら同線で唯一残っている6750系も廃車が進行し、
近年中の引退が確実視されている。
ここでは、そんな名鉄瀬戸線6750系の走行音声を掲載する。
ぜひとも、吊り掛け駆動の轟音による、急行運用爆走をお楽しみ頂きたい。


瀬戸線6750系電車

2010/12/23 901列車 「急行 尾張瀬戸行」

6750系4両編成 6756F (6756+6686+6786+6656)
音声は6756後部寄り座席で収録

※「音声再生」をクリックして再生。音声はmp3ファイルです。

音声再生1 (栄町 9:10 → 9:12 東大手) ←クリック!
まずは助走区間。東大手までの地下区間を走る。
発車後自動放送に続き、車掌の肉声による停車駅案内が走る。

音声再生2 (東大手 9:12 → 9:16 大曽根) ←クリック!
いよいよ吊り掛け爆走の本領発揮。
地下から30‰の勾配をフルノッチで駆け上がり、一気に高架区間へ躍り出る。
清水、尼ケ坂を惰性走行で通過後、再びフルノッチで再加速し森下を爆走通過。
放送は自動音声のみだが、あまりの轟音に、ほとんど聞き取れない。

音声再生3 (大曽根 9:16 → 9:21 小幡) ←クリック!
JR・地下鉄と連絡し利用者の多い大曽根を発車すると、
フルノッチで急勾配を登り、右にカーブしてJR中央本線の高架を乗り越える。
そして惰性走行に切り替わった頃、車掌の肉声放送が入る。
高架を下り、惰性のまま矢田駅を通過すると減速し、半径120m(制限35km/h)を通過。
(激しい横揺れで吊り手が網棚のフレームに当たる音が聞こえる。)
その後ゆるく再加速し築堤へ登り、矢田川橋梁を渡る。
築堤を下りS字カーブを惰性で抜けた後、再加速しながら守山自衛隊前を通過。
瓢箪山通過後に再び再加速し爆走。

音声再生4 (小幡 9:21 → 9:26 大森・金城学院前) ←クリック!
ここから暫くは、大人しく走行。途中45km/h制限のS字カーブを曲がり、瀬戸街道と交差。
その後再加速するもスピードは上がらず、ほどなく喜多山に停車。
発車後も駅間が短く惰性走行が多く、自動放送が聞き取れるレベル。

音声再生5 (大森・金城学院前 9:26 → 9:31 尾張旭) ←クリック!
最後の通過運転区間。フルノッチで最高速度まで加速し、印場駅を爆走通過。
しかし旭前通過後は長い惰性走行になり、検車区の横を通り過ぎて尾張旭に到着。

音声再生6 (尾張旭 9:31 → 9:42 尾張瀬戸) ←クリック!
この先は各駅に停車する。駅間が短いため爆走とまではいかず、
フルノッチ走行はせいぜい三郷-水野間ぐらい。
しかしながら発車のたびの力強い轟音・振動は十分に楽しめる。
終点尾張瀬戸到着前に、車掌の肉声放送が入る。





◆発車動画

音声だけではイメージが完全に沸かないと思われるため、
下記に発車シーンを外から撮影した動画を掲載したい。

守山自衛隊前駅発車シーン

動画再生

新瀬戸駅発車シーン

動画再生

尾張瀬戸駅発車シーン

動画再生




老朽化した車体には補修痕が継ぎはぎのように残る。
6750系は6編成中すでに4編成が廃車され、
残る2編成も引退の日が刻々と迫っている。

2011年3月11日にさよなら運転、同25日限りで運行終了し、
4月に廃車解体。過去の車輛となった。


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