北海道:石北貨物

北海道の旭川から北見を経由し、流氷で有名な網走まで延びる石北本線。
大雪山麓の急峻な地形を縫うように走るその路線には、
秋〜冬期にのみ運転される貨物列車がある。この貨物列車で特筆されるのは、
コンテナ12両編成の前後をサンドイッチするように機関車が連結されていること。
ここでは2007年11月に訪問した時のレポートを掲載したい。

2007年11月24日(土)朝、3人のグループで層雲峡温泉を出発、
石北本線貨物列車の撮影へ向けレンタカーを走らせる。

並走動画

白滝のS字カーブ
最初の撮影地は、旧白滝-下白滝間のS字カーブ俯瞰ポイント。
層雲峡から上川へ下り、そこから東進して北見峠を越えて9時過ぎに到着した。
道路は多くの部分で無料高速規格の新道(450号線)が開通しており、
峠越えを全く感じさせない快適さだった。
撮影地は、旧白滝付近で新道と旧道が分かれる旧道側の駐車スペース。
谷側に小さな公園が整備されており、その崖から写真のような風景が見られる。

轟音と共に現れるDD51。
続いてS時カーブをゆっくりと下る満載のコンテナ。
最後尾には再びDD51が轟音と共に走り去る。
すごい迫力だった。


奥白滝駅跡
このあと貨物列車は北見峠を下りきり、遠軽に50分間停車する。
追いかける我々も時間があるため、2001年に廃止された秘境駅「奥白滝」へ行ってみた。
白滝の町から10分ほど車を走らせると、辺りは人気の無い、雪深い原野となる。
さらに緩やかな坂道をひたすら進むと、雪に埋もれた小屋を発見。

ここが駅跡らしい。駅舎とみられる小屋は板で゙閉ざされていて入れず、
まだ11月なのに膝上にまで積もる雪をかき分け、小屋の横からホームへ。


常紋信号場跡
貨物列車が遠軽に長時間停車している間、こちらはレンタカーで先回り。
北見峠に次ぐ難所である常紋峠。ここを越える常紋トンネルは、
建設時に強制労働で多くの犠牲者を出したことで有名である。
そのトンネルの北見側の入り口付近に、かつて常紋信号場が存在した。
2001年に廃止された後もそのまま放置され、
草生した地面の中に錆付いた線路が残っている。
信号場脇を、すかさずお目当ての貨物が通過。


上の写真と同じ地点。


轟音と共に過ぎ去った貨物列車の最後尾には、
後補機のDD51がしっかりと連結されている。


並走シーン
レンタカーで貨物を追いかけている途中、
網走行き特急「オホーツク1号」と並走した。
下記は車内から流し撮り風に撮った写真。



留辺蕊の跨線橋
貨物列車は留辺蕊でも10分近く停車する。
こちらはまともやレンタカーで先回りし、線路を跨ぐ陸橋の上から撮影。
この石北貨物は機関車を編成前後に配置した「プッシュプル」運転という
大変珍しい運行形態をとっているが、これは以前は重連だったものを、
折返し時間の短縮や退行運転対策のために採ったものらしい。
それが図らずも同貨物に新たな魅力を与えてくれる結果となった。
ここから先も列車は終点北見へむけラストスパートをする。
先日から続く荒天もおさまり、明るい日差しが差し込んでいた。




2008年11月23日〜24日再訪問

1年後の2008年秋、再度石北貨物を訪問した。
今回は、前回とは比べ物にならないくらいの荒天。
石北峠、常紋峠共に猛吹雪の中での撮影ツアーとなった。

常紋峠



動画再生
常紋峠のS字カーブを力を振り絞りグイグイ登る。


動画再生
白滝駅を定時通過。雪景色の中を走る。


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安国駅での上下貨物行き違いシーン。


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晴天の中、遠軽付近の平地を走る。


動画再生
上と同地点。一晩でこんなにも景色が変わる。



2011年2月19日 再訪問

同年限りで1往復に減便され、その後は廃止?とのことにより、
2011年2月に再度訪問。今度は厳冬期ということで、
積雪により車での訪問は不可。雪道をカンジキ装備で2時間かけ撮影地へ。

常紋145キロポスト

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常紋150キロポスト

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常紋146キロポスト

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2013年10月20日 再訪問

1往復に減便されながら、細々と運行継続してきた石北貨物。
同年夏にはDF200による試運転も行われたものの、
予断の許さない状況が継続している。
今回は10月訪問とのことで紅葉を期待していたが、
前週の寒波により石北地域は例年より3週間早く積雪。
紅葉と雪の意外なコラボレーションが実現した。

瀬戸瀬俯瞰


常紋146キロポスト

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