−7日目(8/30)−

 7日目の出発時刻は、10時である。これは20日間の行程の中でも最も遅いほうだ。起床後もゆっくりホテルでくつろぎ、白浜駅で朝食を食べる時間が十分取れた。


 そんな白浜からは、特急「スーパーくろしお」で串本へ向かう。美しい海岸の景色を見ながら振り子式の381系電車に揺られること50分、串本に到着した。串本は、本州最南端の地として有名である。そのせいもあってか、かなり暑い。やけどしそうなほどの直射日光で、日なたにいたらマジで倒れそうである。そのためあまり出歩くことはできなかった。


 串本からは特急「オーシャンアロー」で紀伊勝浦へ向かう。相変わらず車窓の景色は美しいが、こちらの車内はかなり混んでいる。観光の団体さんが多く乗っているようだ。紀伊勝浦ではそれらの客がみな降り、改札は大混雑となった。私はここからは普通列車で新宮へ向かう。時間があったため駅周辺を歩いたが、なにしろ暑い。すぐにくたばってしまった。さて、紀伊勝浦を出た私はロングシートの105系2両編成で新宮を目指すが、4ドアの105系は保温が効かず、クーラーが効かない。なんとかして欲しいものである。


 新宮でも待ち時間があったため、駅周辺を散策する。暑いのは仕方がない。もう開き直るしかなかった。私は、旅に出た時は有名観光地を巡るよりも、このように町の周辺を散策するのが好きである。人々のあふれる生活観を感じ取ることができるからである。新宮ではスーパーで菓子をいくつか買い、本日2度目の食事とした。


 さて、新宮からは15:06発の亀山行き普通列車に乗る。これは亀山まで5時間以上かけて紀勢本線を走破する長距離普通列車である。ただ私はずっと乗り通すことはせず、途中特急で先行したりする。車両は、キハ11型の2両編成であった。

新宮を出てしばらくすると、先ほどまでの快晴がウソのように黒い雲が出始め、やがてバケツをひっくり返したような大雨になる。運休にならないか不安がよぎる。ただ雨も10分程度でやみ、辺りはまた快晴になる。変わった天気である。列車は熊野市で30分停車する。私は下車印を貰い、先発する後続の特急「南紀」で再び北上した。「南紀」は自由席よりも指定席のほうが座席が埋まっており、面白い。観光利用が多いからであろうか。私は次の尾鷲で下車した。

尾鷲では駅周辺を散策したあと、先ほどの普通列車に再び乗り込む。途中紀伊長島三瀬谷で行違い停車があったため、下車印を貰った。補充券タイプの片道切符は、もうかなりの量の下車印で紙面が汚れてきている。


 はるばる紀勢本線を北上した列車は、参宮線と交わる多気でしばらく停まる。その間に参宮線から入ってくる快速「みえ」が先行するため、私は松阪まで「みえ」に乗った。車内は混んでいて座れなかった。松阪からは再び先ほどの普通列車に乗る。からは大量の通勤・通学客が乗り込んで満員になる。そこからは終点亀山へ向けてラストスパート。ほどなくして到着し、私は関西本線柘植方面へ乗り換えた。


 もう日も暮れ、真っ暗なのでとくに見どころは無い。関西本線のキハ120で柘植に到着したあとは草津線に乗り換え、草津へ向かった。車両は湘南色の113系。湘南色は私が大嫌いな色である。一体どうすれば、あそこまでセンスの無い配色になるのだろうか。かぼちゃの腐ったようなあの色は理解に苦しむ。草津からは東海道本線の普通に乗り、大津で下車する。駅から徒歩5分のホテルα-1大津に宿泊した。