−17日目(9/9)−

 17日目は、行程中もっとも出発時刻が早い。6:14発の快速「ニセコライナー」で、長万部をあとにした。しかしさすがに早起きが応え、早速爆睡モードに突入した。


 約一時間の爆睡後、7:37に私はニセコで下車した。べつに大したことはない。私は8時に開店したキヨスクでパンを買い、本日初の食事とした。次の列車までは時間があったので、反対列車で蘭越まで戻ってみることにする。駅で切符を発見してもらったのだが、手書きの出札補充券タイプなのには驚いた。ちゃんと「自動改札機には通せません」と但し書きまであった。


 蘭越ではすぐに折り返し、小樽へ向かう。この区間は線路規格は悪くないはずなのに、列車は鈍足でイライラする。平均速度は30`ぐらいか。ともあれ10:59、列車は小樽に到着、次は新千歳空港行き快速「エアポート」で札幌へ向かった。車窓左手の海岸の景色は良いはずなのだが、車内は混んでおり、十分に楽しめない。


札幌からは、特急「スーパーホワイトアロー」に乗り継いで旭川へ向かう。駅でジンギスカン弁当を購入して本日2度目の食事にし、列車は発車。石狩平野を130`で疾走するのはじつに気持ちイイ。速度制限が一切無く、130`を延々と体感できる。そのうち13:20に列車は旭川に到着、ここからは一転して単行ディーゼルカーで石北本線に入る。一気にローカル色が強くなり、車内も地元住民ばかりになる。上川まではひたすら平野を走るが、途中で睡魔に襲われ、熟睡してしまった。


 私は終点の上川で下車、そこでは1時間待ち時間があったため、あたりを散策。だが、ここまで来るとさすがに寒い。風がすっげー冷たい。しかも、携帯していた長袖のTシャツをどこかに紛失してしまい、半袖しかない状態である。9月上旬なのに、コンビニなど店の中では暖房がかかっているほどである。


 上川からは、特別快速「きたみ」に乗る。単行のキハ54型ディーゼルカーであったが、車内は新幹線派生品のクロスシートである。上川を出ると、列車は大雪山の山越えにかかり、急勾配が続く。そしてサミットの信号場で特急「オホーツク」と行違いをした後、石北トンネルに入る。同時に鈍足だった列車も爆走を始める。スゴイ。だがトンネルを抜けると再び鈍足に戻る。線路はPC枕木で規格は良いのだが、なにしろ急曲線が多すぎ。下り坂が続き、スピードは上がるもののカーブの速度制限のためにいちいち減速しなければならないのである。じつにもったいない。最近廃止になった奥白滝を過ぎ、下り続けると平野地帯に出て、列車は行止り式の遠軽駅に到着する。


 遠軽では停車時間の間に下車印を貰ったあと、すぐに発車。その後は快調に石北本線を東進する。石北本線の北見までの区間は、網走方面高速化の議論で揺れている。JRとしては山岳地帯の石北本線よりも、平坦な根室・ちほく線の方が様々な条件から見て有利で、そちらへ持っていきたいそうなのだが、地元が嫌なようである。優等列車がちほく線に移ると石北本線が存廃の危機に瀕するのは必至であるし、もとより交流の無い池田帯広を通るのが納得行かないようである。北海道の高速鉄道体系が充実していく中、長い間棚上げ状態になっている網走方面がどうなるか、注目したいところである。


 18:25、列車は終点の北見に到着した。辺りはもう暗くなっていた。北見からは、すぐの接続で網走方面の普通列車に乗り継ぐ。ただ車内は高校生で大混雑。キモいキモいキモい!!!まぁとにかく列車は東進し、19:30に網走に到着した。そして網走からは、釧網本線で知床斜里へ向けてラストスパートである。ただあいにく夜のため、絶景のオホーツク海は見れない。残念。20:35、知床斜里に到着した。


 外はかなり寒く、吐く息が白い。今夜は、徒歩1分の旅館「駅前ホテル斜里館」に泊まる。早速豪勢な夕食が振舞われ、行程中初の3度目の食事をとった。部屋も広く、満足だ。